野良犬とは故郷を奪われ、追放された者の暗喩である。…民族学者、宮本常一に倣って言えば、金瀬胖が野良犬のようにさまよい歩いた千葉県の「浦廻」は、知の体験記録として後世に残るものだと思われる。
平嶋彰彦
思えば、暮らしのすぐそばにある楽園の数々が、ただ眺めるだけの光景に変貌するさまを30年余り撮ってきた。だが、私にとって写真とは、痛さとともにそこにある愛に、遅ればせながら気づかせてくれるものに他ならない。
金瀬胖
豊饒と、茫漠が静かに同居している写真集です。書物という半永久的な世界の片隅に、私が生きていた事をおまけの様にさらりと受け入れて下さった金瀬氏に感謝します。2600円+税 ご購入、お問い合わせは下記まで。
現代写真研究所出版局 03-3359-7611